| クロスカントリーフライトの練習 ふだんのリッジソアリングの中で、ほどよく高度が取れたら、グランドサーマルを探しに前進しましょう。前に出て、サーマルを探しきれなかったら、またリッジソアリングに戻って上げ直し、何度もサーマルハンティングに出て行きましょう。普段からのそうした練習が、大会や、クロスカントリーフライトの良い練習になるのです。 日頃から予備知識と観察力を持って練習をしておく事で、突然のチャンスに備えます。 クロスカントリーフライトの魅力 グランドサーマルソアリングを含むすべての滑空理論を活用して飛ぶのがクロスカントリーフライトです。(出発前にクロスカントリー飛行計画書(フライトプラン)を出してください) いつもの橇負山の風景を離れて、どこまで飛んでいけるかの挑戦が始まります。 サーマル源の読み、笹や木の葉の動き、地上の煙や風向きの分かる旗など、上空の上昇気流や下降気流がイメージ出来る雲の動き。時には地上から湧き上がってくる臭いや、上昇風に巻き上げられてくる虫が確認できます。 30分以上前から強い日射しがあたっていたはずの乾いた畑や駐車場、山の裏側1qから2qほどにあるはずの上昇するウエーブやその前後の下降気流。川、沢、日陰の斜面や水の張った水田などの下降気流のイメージも大事です。ダウンバースト(強い下降気流)も、そうしたところに落ちてきます。 不意にはまってしまった下降気流をそのまま通過せずに、一度引き返して上げ直す事も、とても大事な判断です。 刻々と変わる地形の流れの中で、瞬時に最適のルートを判断する事が、より遠くへ飛行する技術なのです。 大事な事は、降りてしまわない事ですから、たとえ遠回りでも手堅くコース取りをする事、やむをえず沢渡りや、下降気流帯渡りをする時は、一度二度戻って上げ直す事が飛び続けるコツなのです。 話は少しずれますが、理論的に向かい風でより遠くへ進もうとする時は、アクセルを踏んで、ポーラーカーブの最良滑空比よりもさらに速い速度で飛びます。 反対に、追い風に乗って、より遠くまで進もうとする時は最良滑空比よりも、少しブレークコードを引いて、適度に最良沈下速度寄りの方が良いのです。 ポーラーカーブを図で書くと分かりやすいのですが、例えば追い風でより遠くへ飛ぼうとする時は、対地速度(水平速度)が早い分だけポーラーカーブの位置がそのまま右に移動して書く事になります。 その時の最良滑空比を求めるゼロ点から引いた線の接線が最良滑空比になるのです。 向かい風の時は、対地速度が遅い分だけポーラーカーブがそのまま左にずれてしまいます。 ゼロ点から引いた線の接線が、よりアクセルを踏んだ側になることが分かります。 (パラグライディング教本33ページ〜34ページ) 少し理論が変わりますが、ウエイトを積んだパイロットは、向かい風で、より遠くに飛ぼうとすると有利ですが、追い風では不利になります。 滑空理論で言うと、同じ機体で、翼面加重が重くなった機体は、沈下速度(滑空速度)が速くなるが、滑空比は変わらないからです。 豆知識 地面から見て、対地速度で向かい風とか追い風になる状態でも、いったん離陸したグライダーには、大気速度で考えると、基本的に無風の中で飛んでいる事になります。 風に流されて飛んでいても、向かい風や追い風の影響は無く、同じ飛行速度で飛んでいるのです。 (地上から来る気流の乱れを考えず、安定した風の中での理論です) どこに着陸するかの判断も重要です。着陸場は手堅く慎重に 畑や水田のツリーランは、人とエリアに迷惑を掛けますから、常に「上げられなかったらどこに降ろすか」を考えながら走ります。 (牧草地も肥料を蒔いて育てています。農家の人にとっては大事な畑です) とどく範囲の気流の良さそうな着陸場所を探して、手堅く着陸しましょう。 高度があるうちに、仲間に無線を入れて、着陸地点の報告をして下さい。 尻別岳(しりべつだけ)のねらい方 ルスツにおけるクロスカントリーフライトで、一番多いのが尻別岳をトップアウトしてから、どちらかに走る方法です。 その尻別岳をねらうには、東回りではカイト山の南斜面で上げ直してから行くルートと、西回りでは、西斜面でリッジソアリングをして高度を稼いでから一気に尻別岳の中腹に着き、上げ直してトップアウトするのが最もポピュラーです。 最近では、パラグライダーの性能と、パイロットの技術が向上してきましたので、南東の畑のサーマルなどで、一気に尻別岳に行ったり、リッジソアリング中にサーマル雲まで上げきって、難なく尻別岳の上空まで行く事もよくあります。 (尻別岳のパノラマは、すばらしい別世界です。がんばって行ってみよー) 尻別岳の風 尻別岳の風は、橇負山の風と同じではありません。多くの場合は西の原種農場のサーマルや、東のホテル駐車場のサーマルなどが尻別岳に向かって集まっている事が多いです。橇負山のテイクオフは南の強風なのに、尻別岳は西風や東風だったり、日射の関係で午前は東のサーマルが強く、午後は西のサーマルが強く西風になっていたりします。 尻別岳に近づく前に斜面を上がっていく風(木や笹の動き)を観察し、斜面上昇風を効率よく利用しましょう。 尻別岳の南東斜面 尻別岳の南東斜面は、尾根が浅く、日射しのあった午前中は、斜面上昇風がかなり低い所から使えます。前に出て行くと、風と駐車場のサーマルがバレーウィンドに収束してきて、危険なほど強烈なサーマルが出ていたりします。慎重にセンタリングをしましょう。 その日によってコンディションが違いますから、風向とサーマルをイメージして、最適ルートで走ります。 どのルートで走っても緊急着陸場が近くにありますから、最初は練習のつもりで始めましょう。 尻別岳の南西斜面 尻別岳の南西斜面は尾根が深く、比較的近付きやすいといえます。ただし、西斜面に向かって橇負山から直行するには相応の高度を必要とします。また、カイト山の裏側は風がよどんでいて、南よりの風なら、乱気流になっていたり、西っぽい風なら西のLDまで届かない事も考えられますから、低い高度では近づかないようにしましょう。 尚、日射しのある西風の時は、原種農場の畑からサーマルが上がっていることが有り、尻別岳の西斜面のリッジソワリングよりも少し前に出て、畑のサーマルを探した方が速く上げることが出来ることがよくあります。 |